中国語の成立
自分、言語学者でもなく、勉強もしているわけでもないが、直感と妄想で思うところを書く。
現代中国語は孤立語である。しかし、東アジアの元の言語は膠着語である。古代中国人も膠着語を使っていたと思われる。膠着語から孤立語に変化していったのは、漢字という文字を基礎とする言語として成長したためである。
膠着語という分類もよくは知らないが、簡単に言うと単語に助詞やら格変化の修飾を付ける言語であろう。
別の膠着語の言語間では単語も違うわけだけど、異なる膠着語の言語同士意思疎通するには単語を一緒にするのが一番だが、問題になるのは助詞や格変化を一緒にするのは困難だったということである。
助詞や格変化というのは言語の文法に起因して、文法ってのは変化しにくい。従って、文法の違い、つまり、助詞や格変化の違いを取り除くことが必要になる。
そこで単語だけ並べて、助詞や格変化の部分を削除する。主語や述語、目的語などの順番を固定化することで、助詞や格変化がなくても理解できるようにする。そうしてできたのが漢語である。
ただ、古代ではいかに漢語で書こうともそれを理解するには膠着語の形態に変化させる必要があった。単純に言うと、日本語における漢語の扱い方である、白文を読み下し文にして理解した。白文は読む順番が変化するが、古代膠着語系中国語では白文をそのまま読む中で助詞や格変化を付加して理解した。
助詞や格変化の付加というのは実は漢字の発音に密接に関係している。日本人は漢字を短く単純にしか発音しないが、中国人は四声などを含めて複雑に読む。漢字がたくさんあるから発音も複雑にしないと理解できなかったからという風に通常理解できる。しかし、漢字がたくさんあるのは古代中国を構成する諸部族ごとに異なる漢字を作ったり、使っただけであり、諸部族ごとにとっては、通常の用途での漢字の種類は当初は多くなく、漢字の発音も複雑にする必要はなかった。単語自体、古代膠着語系中国語由来であるからだ。
そこに助詞や格変化を付加する上で漢字の発音の仕方が複雑化した。古代と現代の漢字の発音を比べると古代の方が複雑で何だこりゃになる。古代の漢字の発音は音韻学を基礎として解明されていっているが、その発音は漢字の基礎的な発音に助詞や格変化の発音も付加されているため、漢字の基礎的な発音の解明としてはずれている。
むしろ、中国の周辺民族の単語を漢字で模写した部分に漢字の発音の基礎部分があるように思える。古代の漢字の発音は膠着語の多くの言語同様に実際は簡単であり、助詞や格変化の情報を加えることで複雑化した。そして、複雑化した漢字の発音が定着してしまうが、中国語が孤立語として発展していく中で複雑になった発音は簡略化して、最後に現代中国語の発音に変化していったと思うわけである。
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