極東アジアの三大言語
またまた、門外漢が直感と妄想で語るわけで。
極東アジアは主に日本語、中国語、モンゴル語に分けられる。中国語は孤立語だが、元は膠着語で多数の膠着語が合体して孤立語化してできた。一方で日本語とモンゴル語は膠着語であるが、この2つの言語は明確に分けられる。
モンゴル語はここでは朝鮮語や満州語などを含める。本来はアルタイ諸語と言うべきなのだろうがここでは極東の範囲を考えるのでモンゴル語とする。自分はあまり知識がないので属格に焦点を向けるとモンゴル語では属格の助詞が i と共通になってる。
一方で日本語は属格の助詞は「が」、「の」、「つ」と3つもある。この特殊性から日本語はモンゴル語とは区別される。そして、属格が3つあるってことは3つの言語の複合とも言えるのである。
まず、「つ」は何となく「的」とかの中国語からの流入である。おそらく、中華系渡来人が来るようになってから日本で使われるようになったかと。まつげや中つ国など特定の語や古い言葉に見られるだけだが、あまり日本語としては定着しなかった。漢語的で新しく入って来た属格助詞だからであろう。
「の」は匈奴国(ヒュンニグク)など「奴」に当てられてたり、トルコ語の in とか un とか助詞と見れば、アルタイ諸語、つまり、北方系由来とも思えるが、実は縄文語由来である。縄文人が固有に持っていた助詞であるが、縄文人が北方人に影響を与えたか共通に持っていたかの助詞なんであろう。本来持っていた助詞なために最後に現代日本語での主流の属格の助詞になった。
「が」は古代膠着語系中国語からのものと思われる。根拠は?直感だね。江南人のものじゃね。江南人が入ってきたのは3000~4000年前なので縄文人ほどではなくも古いため、「の」に次ぐ助詞となった。この辺の根拠は中国語や中国の少数民族の言語をよく調べれば見つかるかと思う。
日本語は縄文語を基礎に古代膠着語系中国語が混じったものであるが、古代膠着語系中国語は中国では消えてしまったが元より南方系の言語でもあるため、北方系言語に影響を与えたか、共通性を持つ縄文語と古代中国の部族の一派である南方系の言語が混じったものだと言える。ただ、南方系との関係は江南人が入ってきたものではなく、縄文人の祖先が東南アジア地域などにいたときに南方系言語を使っていた西から新たに来た民族につつかれる形で追い出される過程で混じったものかもしれない。そうなると混じりはかなり古くで2、3万年前とかになる。この南方系言語を使っていた民族は一部は東南アジア人に一部は中国人になったわけで。
ここで加えておかなければならないのは、現代日本語の文法構造は漢語の書き下し文化として形成されたことである。漢語が多数入っている前の縄文語に近い日本語は文法も多少違っていたのではないかと思われる。そして、漢語を書き下し文という日本語に直すことの繰り返しにより、縄文語からより論理的な構造を持つ現代日本語へと昇華というか成長していったと思うのである。この点、中国語を自分は全然知らないが、文語が死んで口語に変化していった中国語と比べ、明確で論理的な文語である漢語の影響を大きく受けた日本語は、膠着語というアバウトな言語ではあるものの、かなり洗練されているのではないかと思う。
一般に日本語の成立をツングース系の北方系言語とオーストロネシア系言語の南方系の混合に求める傾向が強いが、縄文人が日本に住み着いたのが極東ではかなり古く、縄文語を日本語とするならば極東のツングース系言語もオーストロネシア系言語も全然新しい民族の新しい言語なためにそれは否定される。一方で本末転倒であるが、北方系と南方系の混合でできたという説を補強するために縄文語をアイヌ語に求める傾向も強い。
アイヌ語は抱合語なため、古代で膠着語が主流の極東では特殊であり、アジアにおける抱合語を使う民族の分布を見るとカムチャッカ半島以北の言語が由来としか思えない。そして、アイヌ語自体が日本語の単語の流入で形成されたので、日本語の単語を多く含む一方、それを逆に捉え、日本語がアイヌ語由来の単語を含むと捉える主従逆転の発想でアイヌ語を縄文語にしようと主張する学者も多い。
ということで日本語は北方系のモンゴル語とは成立が異なるのである。一方でモンゴル語は満州語にしても朝鮮語にしてもある程度の文法的な近さはあり、それは一つの言語から分岐したとも捉えられる。
極東ではモンゴル語は別として、中国語も日本語も奇異な成立の仕方をした言語と言える。